教え子だった平川容豊君がラウンジMOJOをオープンすることになった。「先生、壁画を描きませんか。」大きな絵を描きたかった私は、二つ返事で引き受けた。 金で縁取ったショッキング・ピンクの犀のファミリーを描く事にした。私も平川君もロック派である。'60年代のサイケデリック・アートを彷彿させる絵柄だった。 ラウンジはドイツの古い民家風の設えだった。古木の太い柱と梁、漆喰、そんなネイティブな現場に立った。ショッキング・ピンクではなく、ワイン・レッドが塗りたくなった。私の作業を覗きに来た仲間達が、そのワイン・レッドをカッコいいと言う。誉められる事が嫌いでない私は、それに陰影をつけてみた。壁から今にも駆け出して来そうなサイの親子に仕上がった。 創造の神が舞いおりてきたのではなかった。成りゆきだった。ワイン・レッドを基調にした画法がこんな出会いから生まれたのだ。 この犀のファミリーが私の壁画の処女作となる。 |
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