木村英輝:ロック黎明期を駆け抜けた男 ki-yan


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  ブライダル・ホールのル・アンジェ教会が竣工したのは平成十五年。私は、そのレストラン「ビトラ」の壁面に「飛ぶ亀」を描いた。
  オーナーは「にっぽんと遊ぼう」の呼びかけ人であり、ロック世代の経営者、高見重光だ。その新空間プロデューサーは、写真家、光の空間演出家として世界的に活躍する田原桂一だった。
  レストラン「ビトラ」は、結婚披露宴のための空間でもあった。「鶴と亀」をテーマにという話はあったが、私はこのル・アンジェ教会は京都の北山通り、玄武の地にあったことから、亀だけを描くことにこだわった。
  大原に住む、甥の宏樹君が亀を飼っていると聞いた。冬眠から目覚めたその亀を手に、いろんな角度からスケッチを始めた。
  夢中にスケッチするうちに、ローマのシスチィーナ礼拝堂のダヴィンチが描いた宙を舞う男達のイメージと亀が重なって拡がっていった。
  田原は私の壁画を「永い間、描くことを休んでいた分、描くことの喜びとエネルギーが伝わってくる」と評した。新しいとか上手とか綺麗という美辞でなかった事が嬉しかった。
木村英輝-飛ぶ亀1
木村英輝-飛ぶ亀2 木村英輝-飛ぶ亀3